「取り戻せる変形性関節症」を小学生にもわかるようにざっくり解説してみた!
「軟骨はすり減るのを知っていますか?」と聞いたら皆さんはどう思いますか?
1、軟骨は治らない?
ヨウコちゃんは、キラキラと目を輝かせて元気にいいます。
「ねえ先生、膝の軟骨って、すり減ったら一生生えてこないんでしょ?お父さんの頭と同じ!」
――「あーーーー。聞かなかった事にしましょう。
たしかに、大人でもそう思い込んでいる人は多いのです」
実は軟骨は再生できるのです。
もちろん髪の毛のように
毎月フッサフサに生えてくるわけではありませんが、
関節の中で「新しい軟骨様の組織」はゆっくりと、
形成されていくんです。
どうしてゆっくりかというと、
軟骨には血液が届いていないからです。
なんと軟骨は”体重移動”したときに栄養をもらいます。
だからゆっくりなんです。
ノクタスや、ドジョッチみたいに移動しないと弱るんです。
これは毛根に、栄養がいかなくなった”ハ○”とは違いますね。
例えば、**微小骨折術(microfracture)**という治療法では、
意図的に骨の下で出血を起こし、新しい軟骨を
作らせる方法が使われます
(Steadman et al., Clin Orthop Relat Res., 2001, PubMed)。
つまり「すり減ったら終わり」「抜けたら終わり」ではなく、
「なぜ治らないか」が本当の問題なんです。
2、なぜ治らないと言われる?
サトシくんは、「でもさ先生、テレビとかでは“軟骨は再生しません!”って断言してるじゃん。あれってウソだったの?…詐欺なの?」
――サトシくんはよく見てますね。Youtubeでしょうか。
そう突っ込まれると、返事に困りますが、
実は「治らない」と言われるのには理由があります。
それは、軟骨がすり減る原因そのものを解決しないと、
いくら修復してもまた壊れてしまうからです。
軟骨は血管が通っていないため、回復スピードがとても遅い。
さらに加えて、膝に悪い姿勢や歩き方、
筋力不足、体重の影響が加わることで、
生まれてきた赤ちゃん軟骨は、すぐに削られてしまうのです。
だから専門家は「(あ・え・て)再生しない」と
言い切ることがあるのではないでしょうか。
「生えてくる」と希望を持たせると、
生活習慣を変えないまま、
結局もっと悪化してしまうからです。
つまりこれは“ウソ”ではなく、“注意”かもしれません。
では、変形性膝関節の本当の問題は、
どこから来るのでしょう。
3、O脚はリスクになる?
「ねえ先生、O脚って”ダイナソー”の足みたいだけど…
”ジェラシックパーク”みたいに、走れるのかな?」
――皆さんには、自由に発想を伸ばしていただきたい。と、
常に思っていますよ。
”ダイナソー”がO脚かはわかりませんが、
変形した膝で走るのはやめておきましょうね。
O脚になると、膝の内側だけに体重が
かかりやすくなります。
消しゴムも、角で文字を消すと、
あっという間にすり減りますよね。
つまり「部分的にギューッと圧迫される」状態になり、
その部位の軟骨が優先的にすり減ります。
実際、研究でもO脚は変形性膝関節症のリスクを高めることが示されています(Sharma et al., Arthritis Rheum., 2001, PubMed)。
恐竜の足は強そうに見えるけど、人の膝は
お皿が正面を向いているのが正しいようですね。
O脚は、見た目以上に関節への負担は大きいのです。
4、O脚と歩く姿勢
「でもさ、歩くと痛いから、安静にするでしょ。
O脚ってどうしたら治るんだ?やっぱ部品交換?」
――なるほど、確かに。
でも実際には、無理せず、痛くない歩き方はあります。
「姿勢を保つ筋肉(姿勢筋)」が、
歩き方に大きな影響を与えています。
特にお尻や太ももの裏の筋肉、
ふくらはぎの筋肉は、歩くたびにバランスを取って
膝への衝撃を和らげているのです。
研究でも、O脚の人はバランスに関わる筋肉の使い方が偏ると、
報告されています(Chang et al., Osteoarthritis Cartilage, 2004, PubMed)。
つまりバランスを失ってしまい、歩き方が悪いと、膝にかかる負担がさらに偏ってしまうのです。僕はこの時、
踵に荷重をかける習慣が発生すると思います。
だからこそ「バランスよく歩く」ことは、ただの見た目ではなく、軟骨を守るための“治療”になるんです。
5、おすすめのエクササイズ「歩行」
「ねえ先生、結局“歩け”って言うんでしょ?
でも歩くならさ、ゲームで”ポ○モンGO”やれば一石二鳥じゃない?」
――その通り! それでもいいんですよ!
大事なのは「膝にやさしく歩く」こと。
”フォアフットストライク”(足の前方で着地する歩き方)
などを取り入れると、膝の負担が分散しやすいことも分かっています(Lieberman et al., Nature, 2010, PubMed)

人の関節には、「歩くことで軟骨に栄養が行き渡らせる」ことができます。
これはまるで「スポンジが水を吸ってふくらむ/排水して体重を支える」
こように、軟骨を守る働きをしてくれるのです。
整体師がまとめ:
変形性関節症を見ると、
薬や湿布で我慢しているうちに、
治りにくくなっているのでは、ないのかな。
と心配しています。
今回お話しした軟骨再生は試験の教科書に載っているくらい、
常識的なんですが、なぜか現場では「治らない」と
言われてしまうんですよね。気軽に痛み止めや、
注射(ステロイド)は、解決策ではなく、
ややこしくして、”健康”から離れていることに
患者さん側から発信してほしいと思うんです。
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軟骨は「すり減ったら終わり」ではない。
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でも、原因を改善しない限り再生してもまた壊れる。
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O脚は恐竜っぽく見えても膝にとってはリスク。
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姿勢筋肉と歩き方が軟骨を守るカギになる。
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特効薬ではなく「歩行」が最大のエクササイズ。
今回は「すり減った軟骨は取り戻せます」というお話でした。
それは、あなたの生活習慣や正しい歩き方が鍵です。







