伏見・山科エリアで整体なら「ライス整体院」

 

 
これは”姿勢矯正の専門学校”「ライス整体」のブログです。京都市伏見区#姿勢専門#

 当院では氷水を積極的に治療に導入しています。でかい製氷機の状態です。しかし、多くの患者さんは冷却すること自体に抵抗があります。あるときは指導に全く従ってくれません。今日は、なぜ冷却療法を勧めるのか。なぜ、 病院では温めを指導するのかを、 いくつかの研究論文を用いて解説したいと思います。
 
 僕は、大谷翔平くんのにわかファンなのですが。アメリカ大リーグ中継を観ていて、投手が登板を終えた後、肩腕に何かを巻いてインタビューしている光景を見かけたことはありませんか? あれは「アイシング」、つまり**冷却療法(クライオセラピー)**の一環で、多くの場合**氷水を使った氷嚢**です。

 実はこのシンプルな昔ながらの処置には、**最新の痛み緩和医療のエッセンスが詰まっている**ことをご存じでしょうか。

■ 氷水が「痛み」を抑えるメカニズム

 驚いた方もいるかも知れません。いまだに氷嚢を使うなんてあるかしら、と。クライオセラピーとは、「冷やすことで炎症を抑え、痛みを緩和し、組織の回復を促進する」ことを目的とした物理療法のことです。冷却により血管が一時的に収縮し、組織の代謝が低下することで、ダメージの拡大を防ぐのです。さまざまな器具があるのですが、中でも氷水は、私たちの体への侵害の危険が低く、比較的安価で入手しやすい、理想的な物質と言えるのです。

 2021年の研究では、慢性腰痛患者に対して全身クライオセラピー(−160°C環境で20回)を行ったところ、**炎症性サイトカイン(IL-2)を減らし、抗炎症性サイトカイン(IL-10)を増加させる**ことが確認されました。痛みの自覚スコアも著しく低下したと報告しています。[1]。

 また、膝関節置換術後の回復過程でクライオセラピーを併用した研究では、**膝の可動域、疼痛スコア、浮腫、歩行機能がすべて有意に改善**。術後リハビリにも有効であることが示されています[2]。

 ■ 交代浴は冷却の“上位互換”

さらに注目したいのが**交代浴(コントラストバス療法)**。これは「温かいお湯と冷たい水を交互に浸す」ことで、血管の収縮と拡張を繰り返し、ポンプのように血流を促進する手法です。要は冷やして終わりではなく、「循環を活性化しながら痛みを和らげる」発展型アイシングです。

実際、2007年の研究では、筋肉痛(DOMS)を起こした被験者に交代浴を行うと、**痛みのスコアと筋力の回復が安静群より明らかに改善**。主観的な筋肉痛も減少しました[3]。

さらに、2023年の膝変形性関節症の研究では、交代浴を2週間行うことで、**関節の痛みや可動域、日常生活動作が有意に改善**される結果が得られています[4]。運動選手に限らず、一般の方にも効果が認められているのです。

これらの研究は、肩こりのように、局所の血液循環(血行)が悪い場合でも、血流改善できることを示していると言えるでしょう。

 ■ なぜ「冷やす」という選択がされないのか?

 ここで、多くの皆さんには疑問が浮かぶのではないでしょうか。これだけ効果的ならば、なぜもっと多くの人が「痛みの緩和」に冷却療法を活用しないのでしょうか?

 その背景には、**現代社会の資本主義的な構造**が関係しているかもしれません。

 冷却療法は安価で、特別な医療機器も不要な「誰でもできるケア」です。一方、 温めること自体は、神経の感覚閾値を変化させるので、痛みとして捉えにくくなる効果はあります。 もちろんそれが持続的でない事は予想できます。

氷水に比べて、温熱療法やマッサージ、鎮痛薬、超音波などは医療ビジネスとして成立しやすく、多くのクリニックや施設がその導入に力を入れています。 私たちも「氷水で冷やしておいてね」とドクターに言われるよりも、親切に薬をいただいたり、心地よい対応をしてもらったほうが嬉しいのかもしれませんね。

 加えて、「身体は温めた方がよい」という偏った思い込みも根強いです。特に中高年男性の間では、「冷える=心臓に悪い」という**医学的に誤った神話**が広まっています。しかし、急冷により心臓発作が誘発されるという確証はなく、正しい温度管理と方法を守れば冷却療法は安全です。

 とはいえ、深部体温に影響するほどの時間、太い血管付近などの冷却はお勧めしません。冷却中は気分が悪くなるなどに注意をして下さい。

■ “アイスノン”では危険な理由

 家庭でアイシングする際に使われるのが、保冷剤(アイスノン等)ですが、これは**過冷却状態になりやすく、長時間の直接接触で凍傷を起こすリスク**があります。つまり、人体に障害を与える可能性があるのですね。

メジャーリーガーが氷水にこだわるのは、「水が温度を一定に保ち、皮膚との間に均一な接触ができる」からです。冷却効果と安全性のバランスを両立するなら、メジャーリーガーを見習って**氷水で冷やすのがベスト**でしょう。

■ 結論:勇気が、痛みを変える

肩こり、関節痛、腰の張り。50代になると身体のあちこちに“鈍い痛み”がついてきます。そんな時、まずは**冷却する勇気**を持ってください。

冷たい水に腕を入れるだけでも、効果は感じられます。さらに慣れてきたら交代浴にチャレンジし、**温と冷の刺激を交互に与える**ことで、血流と組織の修復力を引き出すのです。

痛みを我慢するのではなく、**科学的に冷やす**。メジャーリーガーのように、自己管理力を高める手段として「氷水」は最良のパートナーです。
ぜひ、皆さんの健康に氷水を役立てて欲しいと思います。
質問なども、お気軽にどうぞ。

📚 引用論文(詳細)

1. *Efficacy of whole-body cryotherapy in chronic low back pain*

   [https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/34736843/](https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/34736843/)

2. *Effects of cryotherapy after total knee arthroplasty*

   [https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/38592218/](https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/38592218/)

3. *Effect of hydrotherapy on DOMS*

   [https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/17978833/](https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/17978833/)

4. *Contrast bath therapy in osteoarthritis knee*

   [https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/38021788/](https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/38021788/)

 
 

 

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