当院に来られる方に「慢性的な頭痛」、「めまい」、「耳鳴り」しかも同時多発に
悩んでいる方も居られます。
　近年、デスクワークやスマホの使用増加に伴い、これらの併発症状を訴える方が増えています。

特に 30代〜50代の女性 に多く見られ、当院でも同様の相談が急増しています。
　同時多発に症状が見られる方には 「脊柱アライメント（特に頸椎・胸椎）の乱れ」 が影響しています。
ここで言う脊柱アライメントの乱れとは、（ストレートネック）（猫背）（反り腰）といった脊椎の骨が、正常な位置 から外れてしまい、戻りにくくなっている状態です

　本記事では、頭痛・めまい・耳鳴りと脊柱アライメントの関係を、最新の研究論文をもとに詳しく解説し、症状を軽減するための姿勢改善法をご紹介します。

1. 頭痛との関係

 頸椎のアライメント異常が頭痛を引き起こすメカニズム

頸椎の姿勢が乱れると、首周りの筋肉に過剰な負担がかかり、筋緊張性頭痛の原因になります。

また、頸椎のアライメントが崩れることで椎骨動脈の血流が低下し、脳への血流供給が不安定になることも頭痛の要因です。

 参考論文
 “The cervical spine in tension type headache”（緊張型頭痛と頸椎の関係）
→ 緊張型頭痛（TTH）の患者に、前方頭位姿勢や頸椎の可動域制限が見られたことが報告されています。(sciencedirect.com)

 “An Investigation of Cervical Spinal Posture in Cervicogenic Headache”（頸原性頭痛患者の頸椎姿勢）
→ 頸原性頭痛（CGH）の患者では、頸椎の前弯が減少し、特定の筋群の緊張が亢進していることが示されました。(academic.oup.com)

 頭痛を軽減する姿勢改善法はこちら

2. めまい・耳鳴りとの関係

 頸椎の歪みが内耳機能に影響を与える理由

頸椎のアライメントが崩れると、首の筋肉が過緊張し、内耳への血流が低下することでめまいや耳鳴りを引き起こす可能性があります。

また、頸椎の神経と内耳の神経（前庭神経）が密接に関連しているため、頸椎の異常がめまいや耳鳴りにつながることを示唆しています。

 参考論文
 “Cervical spine disorders and its association with tinnitus: The somatosensory tinnitus”（頸椎障害と耳鳴りの関連）
→ 頸椎の障害と耳鳴りとの関連性が示唆されています。
(sciencedirect.com)

 “Cervical Nerve Projections to the Auditory Pathway in Tinnitus”（頸椎神経と聴覚経路の関係）
→ 第六・第七頸神経の異常が耳鳴りを引き起こすメカニズムを示唆しています。(tinnitusjournal.com)

 めまいや耳鳴りを防ぐ姿勢改善法はこちら

3. 同時多発な症状が軽減する理由

これらの同時多発な症状は脊柱アライメントの改善により、薬では効果が感じなかった症例でも「頭痛の頻度が減った」「めまいが再発しにくい」「耳鳴りが気にならなくなった」ことがあります。薬に頼る前に、生活習慣の見直しましょう。

　脊柱アライメントを整える「日常的な運動指導」「正しい作業姿勢の指導」をご案内します。
① 適切な運動が血流を改善

　研究でも示されている通り、脊柱アライメントの乱れは血流低下を引き起こし、頭痛や耳鳴りの原因になります。
適切なストレッチや運動により筋緊張を緩和し、血流を改善することで症状の発症頻度を抑えることが可能です。

おすすめのエクササイズはこちら

 ② 正しい作業姿勢が頸椎の負担を軽減

デスクワークやスマホの長時間使用により、「前方頭位姿勢」や「猫背」になりがちです。
この姿勢が 頸椎の負担を増大させ、神経や血流に悪影響を与える ことで、頭痛・めまい・耳鳴りを引き起こす可能性があります。

施術に頼らず、座り方やPC・スマホの位置を調整することで、頸椎への負担を軽減し、症状の再発予防ができます。

最後に

これらの研究論文は、頭痛・めまい・耳鳴りが脊柱アライメントと密接に関係を示唆しています。そして、日常的な運動や正しい作業姿勢の維持が、症状の発症頻度を抑えるために重要であることが科学的に裏付けられています。
もし、 「慢性的な頭痛・めまい・耳鳴りの同時多発に悩んでいる」 という方は、まずは ご自身の姿勢を確認して下さい。
　もし姿勢の異常を確認できたら対症療法ではなく、姿勢改善に合った運動や対策に取り組むことをおすすめします。

あなたご自身で健康を取り戻せることを、心より願っています！
＊こちらのブログは、双方に効果的なエクササイズを 医学、論文ベースでご紹介しています。参考まで。
https://note.com/rice_care/n/nfb9effe22aec?sub_rt=share_pw