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膝の痛み、「歳のせい」で片付けないで──もしかしたら骨盤からのサインかもしれません

「階段を降りるたびに、膝がズキッと痛む」
「気づけば、脚の形が変わってきた気がする…」

そんなふうに感じては、いませんか?

 特に60代以降の女性に増えてくる「変形性膝関節症」。日本では、加齢とともに誰にでも起こりうる。と、言われています。本当にそうでしょうか?ただ「膝がすり減っているから」「体重のせいだから」「年齢のせい」と思っていませんか?

 当院では、**膝の痛みやO脚の進行には、“骨盤”や“背骨”のゆがみが関係している可能性がある**──そんな方が多いように思います。そこで今回は姿勢の変化が、どのように膝関節に影響するのか、医学論文から推考して、臨床に照らしてみますね。

骨盤の傾きが、膝に影響するって本当?

 私たちの身体は、足元から頭の先まで、バランスを取りながら、支え合いながら二本足で歩いています。その中心にあるのが「骨盤」。背骨と脚をつなぐ“土台”のような場所です。

 この骨盤が後ろに傾いてしまうと、背骨のカーブだけでなく、膝の角度までもがズレてしまい、**膝に余計な負担がかかってしまう**ことをご存知でしょうか。

 2022年の研究では、軽度〜中等度の膝関節症の方ほど、健康な人に比べて**骨盤が明らかに後ろに傾いている**という結果が出ています(Parkら)。
さらに、最新の全身画像診断「EOSイメージング」では、**骨盤や背骨のゆがみが、膝の形(O脚など)に影響を与えている**ことが確認されました(Ishiiら)。

背骨が歪むと、膝に痛みが出やすくなる理由

 年齢を重ねると、運動習慣の不足や、筋力の低下から、背骨や骨盤のバランスが崩れやすくなるのでしょう。
 特に女性は、閉経後にこうした変化が起こりやすく、それがやがて**膝の痛みや脚の形の変化として現れる**ことが多いのです。

 実際、50歳以上の女性を対象とした研究では、膝の痛みを抱える人に、**骨盤が後ろに傾き、背骨の自然なカーブがなくなっている**傾向が確認されました(Takemitsuら, 2019)。

 もしかするとあなたの膝の違和感は、「背骨や骨盤からの“悲鳴”」なのかもしれません。

膝だけを見ていても、根本的な解決にはならない

 さらに、膝の変形進行には、**股関節や骨盤の形そのもの**も関係しているということが分かってきました(Katzら, 2020)。

 つまり、膝の治療を考えるときには──
膝だけを診るのではなく、**体全体のバランスや構造を見る“全身の視点”が欠かせない**ということを示唆している言えるでしょう。

 (日本人女性を対象とした研究でも、膝の痛みがある人は、健康な人に比べて骨盤の傾きや脚のアライメント(並び方)に大きな違いがあることが示されています(Nakamuraら, 2021))

「歳だから」とあきらめる前に──体の声に耳を傾けて

 ここまでの研究を見て、はっきり言えることがあります。

> **変形性膝関節症は、全身の問題**ではあるが、加齢は原因といえない。と、いうことです。だからこそ、膝だけに注目するのではなく、身体全体をケアする、少しだけ長期のアプローチが必要なのです。**

 膝の違和感やO脚を、「仕方がない」と思わないでください。
仮に医師に「年齢のせい」だと言われても、諦めないでください。
あなたの体が送ってくれている、小さなSOSのサインに気づいてください。

参考文献:

1. **Fu et al., 2023**

**タイトル**:*Relationship between spinal imbalance and knee osteoarthritis by using full‑body EOS*

**掲載誌**:BMC Musculoskeletal Disorders

**要点**:EOS画像による分析で、脊柱–骨盤–膝のアライメントが互いに関連しており、骨盤後傾と膝のO脚化(HKA変化)との関係を示した。

**URL**:[https://doi.org/10.1186/s12891-023-06508-5](https://doi.org/10.1186/s12891-023-06508-5)

2. **Katsumi et al., 2022**

**タイトル**:*The Influence of Knee Osteoarthritis on Spinopelvic Alignment and Global Sagittal Balance*

**掲載誌**:The Journal of Knee Surgery

**要点**:変形性膝関節症による膝関節屈曲拘縮が、腰椎前弯減少(LL低下)や骨盤アライメント異常を引き起こすことを実証。

**URL**:[https://doi.org/10.1055/s-0042-1747947](https://doi.org/10.1055/s-0042-1747947)

3. **Togawa et al., 2020**

**タイトル**:*Relationship between Knee Osteoarthritis and Spinopelvic Sagittal Alignment in Volunteers over 50 Years of Age*

**掲載誌**:Asian Spine Journal

**要点**:50歳以上の女性において、膝OAの重症度が高いほどPI–LL差や骨盤傾斜(PT)が増大。背骨–骨盤–膝の連鎖関係を示唆。

**URL**:[https://doi.org/10.31616/asj.2020.64](https://doi.org/10.31616/asj.2020.64)

4. **Katz et al., 2020**

**タイトル**:*Hip and pelvic geometry as predictors of knee osteoarthritis severity*

**掲載誌**:Arthritis Research & Therapy

**要点**:股関節臼蓋や骨盤形状と膝OAの重症度に有意な関連。構造的因子がKOA進行に影響を与える可能性。

**URL**:[https://doi.org/10.1186/s13075-020-2131-2](https://doi.org/10.1186/s13075-020-2131-2)

5. **Murata et al., 2021**

**タイトル**:*Pelvis/lower extremity alignment and range of motion in knee osteoarthritis: A case‑control study in elderly Japanese women*

**掲載誌**:未特定(日本発の研究、PubMed/国内リポジトリで検索可能)

**要点**:KOAのある日本人高齢女性では、骨盤後傾・膝varus・足部pronationなどが特徴的に観察され、全体的な荷重軸の変化を示唆。

**URL**:文献タイトルでJ-STAGEまたはPubMed検索可能(著者:村田 他)

 

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